少し前の話題ですが,衆議院が解散され,総選挙が行われました。
選挙といえば忘れてはいけないのが「最高裁判所裁判官の国民審査」です。
憲法第79条
2 最高裁判所の裁判官の任命は,その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し,
その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し,その後も同様とする。
3 前項の場合において,投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは。その裁判官は罷免される。
衆院選の時に最高裁判所の裁判官は投票によって罷免(辞めさせる)できます。
罷免したい裁判官の名前の上に◯を書いて提出します。その罷免を可とする投票が,有効票数の過半数に達した裁判官は罷免されます。ただし、その審査の投票率が1%未満であった場合には罷免されません。(最高裁判所裁判官国民審査法第32条)。
過去の不信任票も最高でも15.17%となっており,更に過去に国民審査で辞めさせられた最高裁裁判官はいません。制度としては形骸化していますが,重要なのは最高裁判所裁判官を国民が辞めさせることができるという「国民の権利」があるということです。
因みに投票用紙に◯を書かず,白紙の場合は,辞めさせなくてもよいという意思表示(「罷免の訴追を可としない票」)ととられます。
参考判例
国民審査制度の実質はいわゆる解職の制度と見ることができるから,白票を罷免を可としない票に数えても思想良心の自由に反しない。(昭27.2.20)
行政書士事務所 尼崎リーガルオフィス
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