皆さん,「生産緑地」をご存知でしょうか。
先日,依頼者様から生産緑地指定を解除したいとのご相談を受けました。
生産緑地とは,都市部にある農地を保護する目的で創られた生産緑地法をもとに指定を受けた農地のことで,通常の都市部に置いては,農地であっても宅地並みの課税がされていますが,この生産緑地指定を受けた農地は,通常よりも低い課税(農地としての課税)となります。しかし,この優遇措置を受けるためには,条件があり,実際に農林漁業の生産活動が行われている事,500㎡以上の土地であることなどがあげられます。そして,生産緑地指定を受ければ30年間営農しなければなりません。途中で,生産緑地指定を解除することは原則できません。解除できる場合として規定されているのは・・・
①30年を経過した時
②土地所有者または主たる従事者の疾病・障害等により農業等の継続が困難な場合
③土地所有者の死亡により相続した者が農業等を営まない場合
となっています。
その,依頼者様の解除理由というのが,主たる従事者である,お母様が亡くなられたからということでした。
正直,私も農地法関係の許可や届けに関しては少なからず知識がありますが,「生産緑地の解除」と言われて,少し面食らう部分もありました・・・。
一連の手続を頭に入れた上で,兵庫県の某市の農業委員会にアポを取り,相談に行きました。
今回の依頼者様のケースは,やや複雑で依頼者様のお母様が所有していた不動産(相続登記済み)と隣接する他人(以下Aさん)所有不動産との計2筆に1つの生産緑地指定を受けており,その営農をする人(主たる従事者)が,依頼者様のお母様になっており,更にAさんとの小作契約も解除したいとのことでした。
農業委員会で,一連の手続に必要な許可等の相談をしましたが,生産緑地法と農地法の両方の手続をしなければならないこと,更に相続が発生してから数年が経過していること,相続発生による必要届出が遅滞していることでどこまで一括で手続を受け付けていいのかどうかなど,農業委員会の方も非常に困惑しておられました。
約2時間ほどかかって,ようやく一連の手続が見えて来ましたが,委員の方も「我々もはっきりとしたことが,言えない部分もありますので,実際の手続の際は,相談しながら1つずつ進めましょう・・・。」と言われました。
更に,税金の面も含めて,話は更に深みを増します・・・・。
次回は手続の問題点の詳細をお話したいと思います。
尼崎リーガルオフィス 行政書士 阪本
尼崎リーガルオフィス
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